"Akt"リリースツアー
・ 2023.04.08 "Aktion 1" @ KYOTO NANO
・ 2023.05.18 "Aktion 2" @ SHIMOKITAZAWA ERA
・ 2023.08.12 "Aktion 3" @ TSURUMAI K.D Japon
"Akt"セルフライナーノート
この度シングルリリースする「Akt」という曲は、5人の新しいYOMOYAで作った大切な曲です。ある意味アンセムだと僕は思っています。メンバーの良い所や持ち味がバランス良く出ていて、他にはない音楽を作り得た実感があるからです。
「これが今のYOMOYAなんで」
と、言える曲です。
そしてこの曲は祝祭の歌です。
でもこの詞のどこが祝祭めいているのか分かってはもらえないと思います。僕自身が何かをお祝いするという感情とあまり折り合いがついていないので…。でもYOMOYAの新しい門出を祝ってもらいたいんだと思います。
毒のある歌詞や言い回しは自分の個性と捉えていますが、受け取り方や聴き方をリスナーの解釈に委ねる自分のやり方は、この時代にマッチしてるとはあまり思えません。でもそれで良いとさえ思っています。自分の言いたい事を言うだけ。それに必死なんです。
表現なり生き方の違いなりは誰しもあって、世代とかカテゴリに依るものではないし、とやかく言われる筋合いはない。そう肌で感じてます。
難解でナンセンスだとしても自分の言いたい事を言う。僕もそうやって自分の存在を認めて、場所を作って生きて来たような気がします。それでもまあまあ生きづらいです。
そんな気持ちが5人で作った曲に乗った時、自分にはこいつがファンファーレのように聴こえてきたという事です。
僕の詞は後ろ暗いです。それにはメタルリスナーとしての側面がちょっと出ているかもしれません。
音楽リスナーをジャンルで分けた場合、他のジャンルに比べ、メタルリスナーの生活の幸福度が最も高いという研究結果が出ているそうです。メタルのそういう所が好きです。
また、ある種の芸術家に強く惹かれます。人当たりが良く明るい性格(のように見える)なのに、作り出す作品は不思議と禍々しくダークだったり。そういう芸術家です。
メタルにハマる理由もそんなとこにあります。メタルを聴く時は速すぎて笑えたり、純粋なフィジカルの凄まじさを見せつけられると、聴く時に思い悩むような事を考えなくて済むからです。キム・ゴードンはメンタル的に落ちている時はHIP HOPを聴くらしく、なんだかそれと似てる気がします。
僕は明と暗の二面性が含まれる音楽を作ることを目標にしています。「Akt」がまさにそういう曲だ!という訳ではないんですが、今回この曲のカバーとアーティスト写真を担当してくれた安達英莉さん。彼女自身と彼女の作品からは少しそういう離反性を少し感じてます。そんな方にYOMOYAの作品を手伝っていただいたことがとても嬉しいです。ありがとうございます。
最後にYOMOYAは5人と言いましたが、残念ながら現在は岡崎が抜けて4人になりました。彼が参加した最後の作品がこの「Akt」で、昨年の9月に開催した「Nightlights」でのライブが事実上岡崎のラストライブでした。
事後の報告となってしまい申し訳ないです。
これからもYOMOYAと岡崎英太を、また「Akt」をよろしくお願いします。
YOMOYA 山本たつき